JASEN氏のクリニック(愛媛)、及び新しい育成環境について
【JASEN氏のバスケットボールツアー 愛媛】
JASENツアー in 愛媛
前回のブログでもご紹介したJASENコーチによるクリニックについて、
愛媛県宇和島市でも開催されました。既報の通り、JASEN氏をはじめ、
国内外のスタッフに対してポロシャツを提供させて頂きました。ま
た、埼玉県越谷市では学びの機会の提供として開催について協力させて
頂きました。
今回の模様は「アメリカから凄いコーチがやってきた」として地元の放送局
にも特集されています。詳しい模様は、下記の動画をご覧下さい。
愛媛でのクリニック開催
群馬みなかみ町、埼玉県越谷市、福岡県北九州市に続き、愛媛でのクリニック
は、米国IBLに挑戦するNipon Tornadoesの育成団体であるTornadoes Academy愛媛
が主催し、同バスケットボールアカデミーに通う選手を中心に参加者が集まりました。
こちらの塾では、学校の部活動とは別に、NIppon Tornadoesのスキルコーチも務める
JASEN氏の教えやプログラムを中心に、「世界基準」を掲げ、個人スキルの総合的な
向上を促進するアカデミーを展開しています。
育成環境の新機軸
全国的にも非常に珍しいタイプのバスケットボール私塾ですが、九州及び
四国では積極的にこのようなバスケットボールチームも多く、学校
教育の場以外でもバスケットボールに触れ、学べる機会が増えています。
これまで、日本のスポーツや球技の多くが学校体育に支えられて発展を
してきた経緯があります。激務の中で部活動の指導に精力を注ぐ熱心な先
生方に支えられ、これからも重要な役割を担う半面、未来を担う青少年に
よりよい環境を作る為には外部の力が必要不可欠です。
サッカーでは、100年構想を掲げ、J1からJ3までの非常に広い裾野を構築
しようとするでは、Jリーグ昇格の為にはユースチームの設立が義務付け
られております。また、昨今、育成部門に力を入れているサンフレッチェ広
島(2012年優勝)や柏レイソル(2011年優勝)の活躍にもあるように、育成部
門の充実がトップチームの躍進に欠かせません。
また、Jリーグよりも下部の組織に属して活動をしているチームの中にも、J
リーグを目指しているチームも多く、上位カテゴリーのリーグに参戦する為にも
育成部門の環境整備に積極的に取り組んでいます。
bjリーグの新しいプロジェクト Cリーグについて
そんな中、バスケットボールでも、各地域でジワジワと産声を上げているU-15
のクラブチームだけではなく、bjリーグも新しい動きをスタートさせます。来
年度よりbjリーグではC(チャレンジ)リーグが始まります。
<参考>
bjリーグ Cリーグについて
http://bjleague.livedoor.biz/archives/51913373.html
これは、プロ選手を目指して自己研鑽を重ね、バスケットボールのパフォーマンス
向上の為に鍛錬をする選手に「バスケットボールスクールのコーチ」という役割も
与え、週末にはプロを目指す選手同士で試合を重ね、良いプレイをした選手は
トップリーグのチームからコールアップ(声が掛かり、チームと契約をする)という
リーグです。これまで、現役を引退してコーチに就任するか、または、単発的に
現役選手からのクリニックを受けるという事が多い中、シーズンを通じ、選手であり
コーチであるCリーグの選手から教えを受ける事が可能となりました。
現在、参戦チームには広島プロバスケットボール株式会社が決まっており、西日本の
チームを対象に最終調整中のようです。
同チャレンジリーグには、「スポーツモダニズムプロジェクト」を掲げ、
新しい取り組みをしている芦屋学園より、芦屋学園大学のバスケ部も参戦
します。
また、芦屋学園では、野球部を中体連・高体連・大学連盟に所属させるのでは
なく、関西の独立リーグである「兵庫ブルーサンダース」と提携し、育成環境
や実践経験の場を作り、関西の独立リーグから米国メジャーリーグへと挑戦を
するプロジェクトも進んでいます。
野球の分野でも、従来とは違った形での選手育成に取り組んでいます。全国各地の
野球強豪校と年に二回の甲子園の舞台で切磋琢磨する、または、甲子園の舞台を
目指して地元の野球部同士で競い合うという反面、日程面で選手に負担が大きい
事や、プロ野球機構との規定により、プロ選手、元プロ選手から受けられる指導に
制限がありましたが、高体連の管轄外である芦屋学園では許可されます。
<参考>
「高体連に喧嘩を売った芦屋学園の画期的な取り組み」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/suzukitomoya/20131004-00028639/
長くなりましたが、弊社UPSETとしても、2020年に東京開催の五輪を控え、また、世界
の舞台で結果が出ない男子の日本代表、アジアを制し、世界のトップ戦線へと名乗りを
挙げようとする女子代表の、ますます重視されるであろう育成の現場にもスポーツブラ
ンドの立場から貢献できる事を増やし、精進していこうと思います。
また、今回、冒頭のTornadoes Academyの愛媛支部より、JASEN氏のクリニック
開催総括をされました牧野さんにお話を伺いました。
JASEN氏のクリニックを開催して
8月末のジェイソン・クリニックin愛媛が終わって2カ月が過ぎました。
現在松山でTornadoes Academyに携わっているコーチ陣5人全員は、それまでにシア
トルのECBAでのジェイソン・コーチの指導風景を目にしていました。指導者を対象にし
たC-Tornadoes、愛媛から小・中学生延べ10人あまりが参加しているTornadoes Jr.、そ
して伴晃生選手と俊野達彦選手の両名が参加したNIppon Tornadoesでとそれぞれ場面は
異なりますが、彼の「柔よく剛を制す」バスケットボール理論に基づいた指導現場を体
験していたわけです。
それでもなお、群馬・みなかみでのフェスティバルと愛媛での合計4日間の彼のクリ
ニックは、新鮮で驚きと発見に満ちたものでした。
前回2010年にジェイソン氏が来日した際に、熊本で5日間のトレーニング・キャンプが
開催されました。その目的は、「バスケの本場アメリカで、決して身体能力に恵まれた
とは言えない選手を、そのスキルでNCAAのディビジョンⅠに送り出し、ひいてはNBA選手
までも輩出しているジェイソン氏のトレーニングを、ひとりでも多くの日本の子供達に
体験してもらう」・・・ではなかったように思います。
もちろん、ジェイソン氏の実績とそのコーチング・スキルには、私達も全幅の信頼を
寄せています。ただ、そこでジェイソン氏のトレーニングを「体験・体感させられた」
のは選手達よりもむしろ指導者の方でした。
普段トレーニングしている体育館で、普段自分達が携わっている選手達とジェイソン
氏がどんな空気観で、どんな言葉を用いてトレーニングし、それによってどんな反応が
あるのか。(もちろん、そこで展開されるドリルそのものにも興味はあるのですが…)
廣瀬コーチのブログ「ぼちぼちいこか」で紹介されている当時のレポ(下記リンクの20
10年8月下旬)や、同ブログのTornadoes Jr.帯同レポから伝わる様子は、背の高い選手
や身体能力の高い選手をリクルートしたり、どこかから有名なコーチを招いてトレーニ
ングをしたりすることよりも、優先すべきは環境創り、指導者育成だと強く物語ってい
ました。
※Dream7Japan 代表 廣瀬のブログ「ぼちぼちいこか」 http://mickeyboo.jugem.jp/
バスケットボールを考える大きな転機として
そうしたこともあり、今回の愛媛でのクリニックは私達Academyのスタッフ陣はもち
ろん、Japan Basketball Academy 愛媛の仲間や、呼びかけに賛同して集まってくださ
った指導者の皆さんにとっても、「環境」や指導スキルについて考える大きな転機に
なったのではないかと思います。
ミニ時代からゲームの勝敗にこだわり、ジュニア年代の未熟なフィジカルやスキル、
判断力を前提にしたゲーム運びを重ね、ミスに対して怒号や罵声が飛び交う体育館で
はスポーツの楽しさを味わうことや、子どもたち個人個人の内面から湧き上がる向上
心を期待することは非常に難しいでしょう。ジェイソン氏のクリエイトするメニュー
は、試してみれば分かる通りそれぞれ高いアジリティやバランス感覚、判断力が求め
られるものばかりで、決して「ラク」ではありません。また、高さ、距離、強さ、速
さなど、ゲームの中で求められる場面場面が見事に切り取られています。それでも子
どもたちに過剰な負荷を強いず、遊びの要素をふんだんに取り入れて、夢中にさせる
ような仕組みがあります。その証拠に、今回のジェイソン・クリニックを記録した画
像に映る選手達の顔は、どれも目を輝かせて夢中にバスケットボールに取り組んでい
るものばかり。選手自身がチャレンジを楽しんでいることが存分に伺えます。
指導者にもチャレンジが必要である
現在愛媛には伴晃生選手という、世界を目指す選手がNBAへの道のりを歩んでいま
す。また、その次の年代にも具体的にアメリカの舞台を目標にして、それぞれの挑戦
を続けているジュニア年代の選手達が続々と続いています。私達指導者も、視野を広
く、目標を高く夢を抱き続ける彼・彼女達に負けないよう、学ぶことをやめず、チャレ
ンジを続けていかなければならないと痛感しています。
今回2日間で6コマのクリニックを愛媛で開催し、普段AcademyでWORKOUTしている選
手達以外にもたくさんの子どもたちにジェイソンの指導に触れてもらうことができま
した。現在NBAやWNBAで活躍することを目標にチャレンジしている選手はもちろんです
が、今回初めてジェイソンの指導に触れた中から、一人でも多くの子どもが活躍の場
を求めて世界に飛び出していけるようになればと思います。
(JASEN氏ツアーでのコーチ陣 IBLのポロシャツについて弊社にて製作/提供)
その他の地域での開催レポート
群馬県みなかみ町 https://www.upset-emg.com/blog/2013/11/tornadoes_festival.php
埼玉県越谷市 https://www.upset-emg.com/blog/2013/09/jasen1.php
https://www.upset-emg.com/blog/2013/09/jasen2.php
福岡県北九州市 https://www.upset-emg.com/blog/2013/10/jasen-3-.php
・・・・・・・・・
<参考>
<bjリーグのCリーグについて>
■下部リーグ(bjチャレンジリーグ)構想の概要
「bjリーグ20の実践 19:エクスパンション研究」に基づき、bjリーグの下に、サテラ
イトリーグとして組織。
◇サテライトリーグ
・bjリーグの下にサテライトリーグとして位置づけ。
・bjリーグチームの下部組織としてのチームと、独立チームで構成。独立チームもサテライト
としてbjリーグチームと提携。
・近隣の地域でリーグ戦を行う。
◇より参入しやすい事業規模
・基本は独自の法人が経営するが、bjリーグチーム法人による経営もあり。
・プロ・アマ選手混合。
・選手はスクールやクラブの指導員兼任。スクールやクラブの運営、指導による収入を選手の人件費に。
◇エリア単位の地域密着型
・都道府県を基本としたエリア単位の商圏設定。
・身近な会場でのHome&Away興行。
・地元のスポンサー中心。
・スポーツによる「まちおこし」。
選手の強化・育成・雇用を担う
・bjリーグへの選手輩出。
・選手故障時の代替選手輩出
・bjリーグチーム契約以外の雇用の場創出。
■3層構造
bjリーグ三層構造●bjリーグ
2005年に開幕した日本初のプロバスケットボールリーグ。3つの理念の基、9年目の2013-2014シーズンは21
チームでリーグ戦を開催。中期目標である24チームでの展開も間近に控え、事業の拡大・発展に努めて参ります。
●下部リーグ(bjチャレンジリーグ)
身近な地域を活動エリアとした下部リーグ。下部リーグに所属するチームは、bjリーグアカデミーが開発した
スクール事業を中心とする「AMS(Academy Manegement System)」を導入して頂き、将来bjリーグに参入す
ることを視野に、日本のバスケットボールのさらなる普及・強化・育成のため、また世界で活躍する選手を輩出す
るべく活動して参ります。
●AMS
学校部活動でもない、少年団でもない、バスケットボール普及・育成の新しい形「スクール」を通じ、スクールの
運営ノウハウ、指導ノウハウ、指導カリキュラムを統合した総合的なスクール運営システム「AMS(Academy Manegement
System)」によって、地域スポーツや子どもをめぐる課題を解決し、地域を活性化して参ります。
概念図
■選手の昇格・降格
下部リーグ(bjチャレンジリーグ)に所属する選手たちは、プロ選手を目指そうとする、16歳以上の働きながら学
校に通っている青年であったり、地域でバスケットを教えているスクールのコーチであったり、社会人として会社に勤
務しているサラリーマンであってもよいと考えております。夢を追い続ける全ての若者に対しチャレンジ出来る機会を
与えることになり、このことは、日々トライアウトをしている環境になりますのでプロ選手になれるチャンスが広がる
ことに繋がればと考えております。