粂川岳勤選手‐Tamagawa Training Camp 2015 supported by UPSET

【Tamagawa Training Camp 2015 supported by UPSET 参加選手紹介 - 粂川岳勤-】

ttc2016.2.jpg
株式会社PHYSIOFLEX主催のTamagawa Training Camp supportedby UPSET、
今年で4回目を迎える本取り組みは、6/18(土)・19(日)に玉川大学にて開催されます。
多くの方のご協力により、徐々に面白い経歴を持った選手の方が集まってきました。引き続
き、プロ選手の参加、見学のトレーナー、コーチなど、随時募集しております。ご興味のある
方は、弊社担当までお気軽にお問い合わせください。
詳細は下記概要ページより。
Tamagawa Training Camp 2016 supported by UPSET 開催概要
Tamagawa Training Camp supported by UPSETでは、キャンプ開催を通じて得られた様々な
繋がりを通じ、バスケット界の底上げや活性化も意図しております。今回、以前に特集記事を掲載した
高橋幸大選手、鳴海亮選手、池田裕介選手に続き、NBLサイバーダインつくばロボッツでプレーし、今
シーズン限りでの引退を表明し、現在は江戸川大学男子バスケットボール部のACを務める粂川岳勤
さんです。
大学3部リーグ(当時)からのプロ挑戦。練習生契約から選手契約へ、海外での武者修行、NBLでの選
手契約に至るまでの取り組み、指導者としての今後の展望を伺いました。
(参考)
Tamagawa Training Camp 2015 supported by UPSET 鳴海亮の特集記事
Tamagawa Training Camp 2015 supported by UPSET 高橋幸大選手の特集
Tamagawa Training Camp 2015 supported by UPSET 池田裕介選手の特集
—————————————————-
粂川岳勤選手
kume3.jpg
165cm/63kg 1990年8月1日生まれ
栃木県出身、江戸川大学卒
経歴:
2006-2009 宇都宮工業高校
2009-2013 江戸川大学
2013-2014 TGI D-RISE(NBDL)
2014-2015 アースフレンズ東京Z(NBDL)
■「3部リーグの選手ではプロは厳しいのではないか?」
宇都宮市立若松原中学校時代にはジュニアオールスターに選出。宇都宮工業
高校時代には3年連続で高校総体、ウィンターカップに出場。卒業後、当時は関
東大学3部リーグに所属していた江戸川大学へ進学。下級生時から試合に出場
し、2年時より3年連続で2部リーグとの入れ替え戦に挑む。最上級生時、3度目
の挑戦で2部リーグに昇格し、有終の美を飾る。
チームの主力として活躍した実績とは裏腹に、当時の自分には自信がなかったという。
「3部リーグの選手だったし、自分の身長でプロでやっていけるか自信が無かった」
という想いと「プロへ挑戦してみたい」という狭間の期間を経て、地元の超人気チーム
であるリンク栃木BREXの下部組織であったTGI D-RISEのトライアウトで練習生契約
を締結し、その後、正式契約を締結。
■プロコーチの指導に感銘を受ける
kume13.jpg
翌シーズン、NBDL新規参入チームであったアースフレンズ東京Zへ移籍後は、国内屈
指の実績を持つ小野秀二HCの指導を受け、特にディフェンスの指導に感銘を受ける。
それは、身長のサイズを武器に変えるため、小学生のころから磨きをかけていた前線
からのしつこいディフェンスを武器として取り組んできた粂川選手にとっても思わず唸る
ほど、足の運び、手の運びなど細部に至る指導であり、本人にとっても大きな財産となった。
「初めのころは、ディフェンスについての厳しい指導に面食らうこともありましたが、一つ一
つが理論的で、実践する中で多くの学びがありました。小野秀二さんに教わったディフェン
スは自分の財産になりました」
■武者修行、LAへ

※動画提供 RISE https://www.facebook.com/RISE–138208726347649/

 

その後、海外への挑戦を視野に入れ、Loop Sports Managementの野澤 亮介氏のサポート
を受け、渡米。日本でも、HOS GAMESなどでDrew league選抜チームのHCなどを務めた
Keion Kindredのカリキュラムを通じ、NBA選手なども指導するプロコーチのワークアウト、
プロが集まるピックアップゲーム、現地でのNBA観戦などを通じ、心身の鍛錬へと務めた。
有識者にマネジメントしてもらう中でのアメリカでのバスケットボール活動は、様々な刺激に
溢れていた。ある時にはジェームス・ハーデン(NBA:ヒューストンロケッツ、アメリカ代表)とも
ピックアップゲームで共にプレーをする機会や、レブロン・ジェームズを擁するクリーブランド・
キャバリアーズで若手HCとして活躍するティロン・ルーや、NBAの育成機関であるNBDLテ
キサス・レジェンズのHCに遭遇する機会もあった。粂川がワークアウトを行っていた体育館の
反対側のコートでは、NBA入りを目指す、224センチの超大型若手有望選手がワークアウトを
する風景などにも出くわした。165センチの粂川とは、59センチもの身長差である。
そのような、日本にいては出来ない様々な経験を重ねる海外での挑戦の日々で粂川の中で変
わったのは「シュートへの意識」であるという。
「良く言われていることですが、アメリカでは、シュートを決める力がないと本当にボールが
回ってこない。ピックアップゲームに参加してもボールに触れないままで終わってしまう。そ
の手の話は聞いたことがありましたが、体感する事で、自分から仕掛けることへの意識を強
く持つことが出来ました」
事実、Loop Sports Managementの主催で行われた、日本国内の主要リーグ(NBL、NBDL、
Tkbjリーグ ※順不同)を目指す選手を対象に行われたトライアウトでは、粂川も選手として参
加。日本への進出を目論見、鼻息荒いアメリカ人選手を束ね、PGとしてゲームを牽引。本人
も、自ら仕掛けることと、日本時代に培ってきたPGとしての統率力に手ごたえを得る。
帰国後は、NBLつくばロボッツと2015年8月に練習生契約を締結。その後、日本国内で抜群の
実績を持ち、サイバーダインつくばロボッツの主力選手である中川和之選手や、湊谷 安玲久司
朱選手、中村 友也選手らに追いつこうと努力を重ねプロ契約を勝ち取った。また、平岡富士貴
HCの非常に情熱があり、熱いハートで指導をしてくれる日々にも刺激を受けたという。
シーズン序盤、出場機会に恵まれない時期もあったが、2016年2月以降に、古巣であるリンク
栃木ブレックス戦で30分出場、トヨタ自動車アルバルク東京との2連戦では、18分、21分の出場
をし2桁得点も残す。PGなので得点だけで評価される事はないことは重々承知したうえで、この
スタッツを残せたことは、自らの手で海外へと視野を広げ、サポートしてくれる方の情報を集め、
実際に海を渡り、自ら仕掛ける力、シュートを打つ意識を磨いたからこその結果であった。
(参考)
※RISE ATHLETE’S SOLTUION
12548867_529415340560317_596674751022158430_n.png
拠点をLAに置き、様々な競技で活躍するアスリートやトレーナーを支
援しているプロジェクト。各種のSNSなどでは、『少しでもスポーツ界
で挑戦している人を認知してもらうこと』を念頭にLAでの活動情報な
どを掲載している。
代表:今田 悠太さん
各種SNS媒体は下記
発信理念:『国を越えて少しでもスポーツ界で挑戦している人をサポート
出来る情報やネットワークを提供すること』
■現役引退を決意
大学を卒業する時期は「(最後で2部昇格を決めたとはいえ)3部リーグでの競技実績しかないの
で躊躇していた」という気持ちでプロ挑戦も消極的だったが、覚悟を決め、プロへの挑戦を決意。練
習生契約から着実にステップアップをし、NBLでも実績を残した。
年齢的にも若く、さらなる活躍を期待される時期でもあったが、選手としてステップアップする為に数
多くの事を学び、自らの血肉とする中で、それを伝える存在になりたいという思いも強くなった。
2016年4月、「指導者になりたいという思いが強くなった」と引退を決意し、シーズン終了前に引退を
表明。おりしも、プロ選手としての歩みをスタートした地点でもあり、地元である栃木県で開催された
リンク栃木BREXとの試合が現役最終戦となった。2Pから福田真生選手と交代で出場機会を得ると、
18分出場、7得点を残し、栃木のファンからも多くの声援を受けて現役生活に終止符を打った。
D-RISEに所属していた選手であること、栃木県出身の選手であることをリンク栃木ブレックスファンも
理解しており、サイバーダインつくばロボッツの選手である粂川にも多くの拍手と声援が届き、粂川も
胸を熱くしたという。
■2022年栃木国体を一つの指標としてコーチの道へ
kume7.jpg
現在(2016年6月現在)は、母校である江戸川大学で教職の単位を履修中であり、母校バスケ部のア
シスタントコーチも務める。プロ選手としての国内外での経験を生かし、母校の関東大学2部リーグでの
優勝、及び、学生選手の成長に貢献することが目標だ。
また、プロ選手として挑戦した3年間の経験を活かし、地元である栃木県のバスケットボール振興を支え
る存在になる事が大きな目標であるという。栃木県のバスケットボール振興に情熱を燃やす協会の役員、
教職員の方々が、2020年東京五輪の2年後、2022年に思いを巡らす。その年、栃木県では国民体育
大会が開催される予定であり、一つの照準として、県全体のレベルアップ、育成環境の整備に取り組ん
でいる。
粂川の目標は、その国民体育大会にて、栃木県の成年男子代表チームの選手兼スタッフとして、地元の
代表チームを優勝に導くこと、また、教員として自分の教え子を国体チームに導き、地元の少年男子チーム
を優勝に導く存在の選手を輩出することであるという。教員として地元に戻るため、地元のバスケ振興に貢献
できるコーチになるための研鑽に努める日々を送っている。
12802938_905596392893161_4571580512117894243_n.jpg
※宇都宮工業高校時代の恩師も2022年の栃木国体に向けて基盤づくりに励む。
現在の粂川氏のモチベーションの1つだ。
■TTC 2015 supported by UPSETでの活躍
kume12.jpg
kume9.jpg
アメリカ挑戦を控えた時期、TTC2015では、脚力などを測定する項目で敏捷性を披露、トレーニングセッション
では、小柄な身体であるが、フィジカルコンタクトにも揺るがない体幹の強さを見せた。TTCには所属チームの
コーチから推薦のあった練習生の参加を受け付ける事もあるが、その練習生が、自分よりも体格の小さい
プロ選手の当たりの強さに目を丸くする場面も見られた。
玉川大学男子バスケットボール部とのピックアップゲームでは、寄せ集めチームを見事な統率力で束ね、ある時
はPGとして、また別の場面では群馬クレインサンダースの小林選手との2ガードでチームを牽引。また、本人
の言葉にもあった「小野秀二さんの指導で培ったディフェンス」でも存在感を見せ、主催者、株式会社PHYSIOFLEXの代表取締役 井上氏も最大限の賛辞を送った。
「体格やサイズで優位に立つプロ選手が学生の選手に「違い」を見せる場面はこれまでにも多く見てきましたが、粘り強い脚力、きめ細かなスキル、バスケIQを駆使して、貪欲にボールマンプレッシャーを仕掛ける粂川選手の姿は学生選手にも多くの刺激を与えてくれたと感じました。
TTC supported by UPSETでは、プロ選手にトレーニング環境を提供すると同時に、学生選手には、プロ選手の技量を体感してもらう事を目的としています。プロを目指す選手も、教員を目指す選手も、一般企業への就職を予定している選手も、学生時代の貴重な部活動の中で、プロ選手と対戦し、そのリアルな場面で、プロから学び、部活動生活をさらに実りある時間にしてほしいと願っています。粂川選手の献身的かつ執拗なディフェンス、それにボールを取られまいと必死になる学生選手の姿は、TTC supported by UPSETの主催者冥利に尽きる瞬間でもありました。若くして引退を決意されたのは驚きましたが、TTCファミリーとして、粂川君の次のステージを応援したいと思います!」
粂川さん自身、「縁とタイミング、周りの方のサポートに支えられた現役生活だった」と語っているが、常に周りの人が協力、応援をしたくなるような彼の姿勢があってからこそと感じるエピソードでもあった。
(参考)
LA時代のコーチのプロフィールなど
Keion Kindred
kume4.jpg
kume10.jpg
kume2.jpg

関連記事