スペインバスケット勉強会レポート(マドリードでの社会活動について)

【バンタンデザイン研究所での講演会開催レポート】

 

8月13日(火)東京都港区恵比寿にありますバンタンデザイン研究所にて
スペインバスケットの勉強会を開催しました。

 

セルヒオ4.jpg

 

 

 

以前の記事にも記載しましたが、バンタンデザイン研究所では、

2014年4月よりスポーツ業界への就職、転職やキャリアアップを目指す
大学生、社会人を対象とし、「スポーツ×デザイン」をテーマにした
バンタンスポーツアカデミーを開校します。
 

写真.JPG 

 

 

事業担当である伊藤様より、スポーツ界、またはバスケット業界への転職を考
える人に対して「マーケティングを究めることでスポーツ業界の中核で活躍し
よう!」というようなメッセージも頂きました。是非、ご活用下さい。

http://www.vantan.com/

バンタンスポーツアカデミー  facebook ページ

https://www.facebook.com/profile.php?id=100005758238911&fref=ts 

 

 


事業担当である伊藤様にお話しを伺いましたのでご紹介します。

 

///////////////////////////////


◇スポーツ業界の現状。これからの時代に求められるスキルについて

スポーツをコンテンツにマーケティングをドライヴできる人材が求められると考え
ています。マーケティング力に加えそれをプロダクトアウトするクリエイティブセ
ンスもこの先の時代は求められるであろうと考えています。

 

◇また、その中でもバスケットボールの世界で仕事をしたいと考えている人に向けて
のメッセージについて

本年よりNBLも正式スタートし、bjリーグも21チームに拡大しています。また、2020年
には東京オリンピック開催というイベントが待ち受けるなか、バスケットをメジャーな
スポーツにするための熱い志を持った人材が必要です。志・情熱に加えて、ビジネスを
理解し企画・実行できる人材が必要になります。

皆さんもバスケ界メジャー化の一躍を担ってください。

 

 

//////////////////////////


今回、株式会社ERTLUCがスペインツアーと称して関東各地でクリニックを
実施。弊社では、ERTLUCさん、コーディネーターの富田さんと協
力・連動し、バンタンデザイン研究所様の全面協力をもって、バスケット
を取り巻く文化や、コーチ育成システムについての講演を開催しました。 


今回は、来日された二名のコーチより、スペイン一部リーグACB所属のエス
ティディアンテスのあるマドリードを中心にジャーナリストや育成コーチと
してスペイン国内で幅広い活動をされているセルヒオ氏。

ジャーナリスト、U-15の育成組織の立ち上げを準備されている方、青少年の
発育に携わる食品を販売されている会社のマーケティンググループの責任者
の方や、地域総合型スポーツクラブの代表者の方、国内トップリーグ所属の
選手など、多くの方にご参加頂きました。


当ブログ記事では、当日の様子と、講演内容の一部をご紹介します。

日本全国の各地域で、トップ選手の育成以外にもバスケットの裾野を
広めるべく、また、青少年の健康維持や、社会性の向上に尽力されている
方の活動の参考になれば幸いです。

 

セルヒオ氏による講演会

テーマ

『サンフェルミン地区でのバスケットを通じた社会活動について』

 

セルヒオ1.jpg

 

サンフェルミン地区とは

セルヒオ氏が情熱を注いでいるのがマドリードにあるサンフェルミン地区と
呼ばれる貧困地域でのバスケットボールを活用した社会貢献活動です。


サンフェルミン地区とは、マドリードの中でも貧困地域として知られていま
す。2020年のマドリード五輪招致のネガティブな要因の一つにもなった事でも
知られていますが、スペイン経済の不安定な社会情勢もあり、定職を持てない
人間が地域の30~40%を占め、40%近い子供が教育を続けられない状況に陥って
しまっています。


そこには両親がいない中で生活しなければならない子供も多く存在します。
生死の問題を乗り越えたとしても、様々な誘惑が飛び交う街です。また、その
ような中で日々の時間を刻む子供たちにとって、人生は可能性に満ちた世界で
はなく、未来に対する希望を失い、その結果、自分自身に対しても自信を失う
ケースも非常に多いようです。

また、その地域の出身というだけで、周りの地域からは特異な目で見られてしまう
という偏見との戦いも存在します。

 

バスケットを学びのツールとして活用


セルヒオ氏は、スペイン北東部のサラゴサで生まれ、バスケットボール競技に
励み、その後、ジャーナリストとして活躍。その後、スペイン南部のマラガでも
育成コーチとして活動。非常に幅広く、奥行きのあるキャリアを積んでいます。

バスケットに携わりながら日々を過ごす中で、セルヒオ氏は、バスケット
ボールの可能性を強く信じるという考えを持つようになりました。具体的には、バ
スケットボールには、人々の生活の質を改善し、幸せを与え、社会的な成功を
収める為の学びのツールであるという考えです。

また、セルヒオ氏はこうも言います。

「子供達がスポーツをしている時間は、悪い誘惑から遠ざける事ができる。
夢中になる時間は、辛い事を思いださなくて済む」

これは日本国内でバスケットボールを社会性向上や教育的な価値を
感じて取り組んでいらっしゃる方でも数少ない、サンフェルミン地区ならではの
考え方のようにも感じましたがという事もバスケットボールに取り組ませる事の
意義であるようです。

 


重要な価値観を伝える

 

 

その地で、3年前に15人からスタートし、現在では120人の子供が
セルヒオ氏のコーディネートの元でバスケットボールに励む
環境を作りました。


試合に勝つ事でもなく、また、将来の
スーパースターを育成する事ではなく、前述のとおり、サンフェルミン
地区に住む子供に、バスケットボールをプレイする環境を与える事、そ
して、彼らを悪い生活から遠ざける事を目指し、このプロジェクトは
進められています。


セルヒオは、人生の中で有益であると考えられている価値観の多くを
バスケットを通じて子供たちに伝える事が出来ると信じています。

それは例えば、単純にバスケットボールを楽しむ事。同世代の人間と
知り合い、友達になる事。自分に対して自信を持つ事。社会的な素養
を身に付ける事、仲間と結束する事、目標に向かって取り組む事、敬
意を持つ事、努力、スポーツマンシップを学ぶ事です。

 

セルヒオ3.jpg

 

 

ACBの試合観戦をする機会など

 

現在、120人の中から、2チームが地域のリーグ戦に登録をし、他地域のチーム
とも試合に励んでいます。残りの選手は、単純に、バスケットボールをプレイ
する事を楽しんでます。バルセロナにあるスポンサーの支援により、子供は
無料でバスケット教室に参加する事が可能となっています。バスケットボールを
競技する事は楽しいという評判が広がり、サンフェルミン地区の多くの子供が
参加するようになりました。このような教育的なプロジェクトは、同地区に
おいて、現時点ではバスケットボールだけで実施され、成功しているようです。

また、エスティディアンテスの支援や理解により、スペイン一部リーグACBのレ
アル・マドリードとエスティディアンテスの試合観戦、車椅子バスケットボールの
試合観戦をする機会なども与えられます。


 

セルヒオの想い

 

象徴的なエピソードを紹介します。他地域のチームと試合をするリーグ戦に
参加した際、相手チームの選手が試合中に転倒してコートに倒れるという
シチュエーションがありました。その瞬間、サンフェルミン地区のチームが
ルーズボールを奪い、そのまま攻撃に転じる事も出来たのですが、サンフェル
ミン地区の選手は、攻撃に転じ、その隙に得点をするのではなく、転んだ選手に
手を差し伸べ、助けました。

その行為はサンフェルミン地区出身というだけで偏見を持っている方々の色眼鏡
を変えました。そして、この時の選手の振る舞いはセルヒオにとっても非常に感銘
深い場面となったようです。


彼の夢の一つは、自分がいなくなってもこのプロジェクトが続き、多くの子供たちに
教育的な機会を与え続ける環境が存在し続ける事。また、この地で育った選手が、サ
ンフェルミン地区のコーチとしてこの地に戻ってくる事。そして、コート上で転んだ
対戦相手に対し、救いの手を差し伸ばせる選手を育む事。


セルヒオはこうも言います。


I learned long time ago that you can not always win in sports.Neither in
life.The important thing is not to beat another,but how you make the journey.
i want to tell a story. 

※原稿記事より一部引用

 

世の中は、成果や結果によって判断される事が多い。パウ・ガソルやカルロス・ナバーロ
の事は、日本のバスケット愛好家も、スペインの人も多くの人が知っている。
それは彼らが勝者であるからだ。

スポーツの世界では、常に勝ち続ける事は出来ない。それは人生でも同じである。その事
を、セルヒオ氏は学んだと言います。そして、重要な事は、相手を打ち負かすことではなく、
どのように自分自身の旅(journey)を歩んでいくか、である。


また、会の最後には、サンフェルミン地区で子供たちが「Harlem shake」を踊っている様子
が紹介されました。どの子どもも、無邪気にはしゃぎ、嬉しそうな笑顔が飛び交う中、セル
ヒオの話は締めくくられました。

 


 

 

 

コーディネーター富田さんのHP
http://el-baloncesto.sub.jp/

スペイン企画についての紹介ページ
http://baloncesto.for-japon.org/event/20130811_19.html 

 

 

 

 

/////////////////////////////////////

 

また、バンタンデザイン研究所では、株式会社OSSと提携し、Sports JISEDAI Conference という
イベントも開催します。下記、ご確認の上、是非ご活用下さい。
 

 

Sports JISEDAI Conference 概要

 

 

第1部[10:30〜13:30]「Jリーグの、現在と未来」「Jクラブの、現在と未来」

スピーカー 犬飼基昭、中西大介、水谷尚人、葉梨忠男、半田裕

第2部[14:30〜17:30]「日本代表の、現在と未来」「日本サッカー協会と、支
援するスポンサー」

スピーカー 犬飼基昭、高橋義雄、秦英之、村林裕、半田裕


主催:Office Strategic Service株式会社
後援:株式会社バンタン
運営:Jisedai Works

______________________________________________

スポーツ業界の「夢」「現実」を伝えます。
 
スポーツ業界には夢があります。
しかしそこには課題もあります。
そんなスポーツ業界を、
かえる、こわす、つくる、
JISEDAIが必要です。
みなさんのような「JISEDAI」が必要です。

Jisedai Worksは、
そんな「JISEDAI」を輩出する場を目指します。

______________________________________________


《参加方法》
以下の「申し込みフォーム」から必要事項をご記入のうえ、「送信する」
を押す。
http://oss365.com/seminar/sportsconference.html


《対象者》
スポーツビジネスに携わりたい
オリンピックに関わりたい
スポーツチームを経営したい
マイナースポーツを盛り上げたい
マーケティングを極めたい
グローバルに活躍したい
最前線を知りたい
スポーツ界で事業を起こしたい
スポーツ界をかえたい、こわしたい、つくりたい
スポーツが好き

そんな「JISEDAI」の方々
(社会人、大学生、大学院生、短大生、専門学生、高校生…)

 

《会場》
バンタンデザイン研究所 東京校 セッションタワー
http://www.vantan.com/assets/pdf/access/map_tokyo_session.pdf

〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西1-3-4

JR線・東京メトロ日比谷線/恵比寿駅より徒歩2分
東急東横線/代官山駅より徒歩7分

 

《日時》
2013年9月28日 (土曜日)
第1部10:30〜13:30/第2部14:40〜17:30

 

《参加費用》
第1部もしくは第2部のみ参加
事前申し込み:社会人 3,000円/学生 2,000円
当日受付  :社会人 4,000円/学生 3,000円

第1部・第2部の両方に参加
事前申し込み:社会人 5,000円/学生 3,000円
当日受付  :社会人 8,000円/学生 6,000円

※当日、現金でお支払いください

 

《服装》
スポーツがテーマですので、
どうぞカジュアルな服装でいらしてください!

 

《出演者》
多様な経験をもち、業界の最前線で活躍されている、
熱いのスピーカーをお招きします。

犬飼 基昭  前日本サッカー協会会長、前浦和レッズ社長
高橋 義雄  筑波大学准教授
中西 大介  Jリーグ競技・事業本部長
秦  英之  レピュコムジャパン代表、前ソニーグローバルマーケティングマネージャー
葉梨 忠男  PPICSE代表、前テレビ東京事業部長
水谷 尚人  NPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブ理事長、Sea Global代表
村林 裕   慶応大学総合政策学部教授、前FC東京社長
半田 裕   OSS代表、前アディダスジャパン、
       前ナイキジャパンスポーツマーケティングディレクター

 

 

 

本記事、及び関連する事項についての問い合わせは下記まで

株式会社UPSET 片岡

kataoka@upset-emg.com

 

(文責 片岡)

 

 

 

 

関連記事