Tamagawa Training Camp 2015 supported by UPSET レポート(2)
Tamagawa Training Camp 2015 supported by UPSET(その2)
その1はこちら
© 立花 佳世
■2日目がスタート。この日も早朝から。
「早朝からスタートする活動は健全」(主催者の井上氏談)と、この日もスタッフ、選手ら関係
者が早朝8時に玉川学園前駅に集合し、玉川大学へと向かう。
2日目となったこの日、プロ、学生と全体でのウォーミングアップ後は、体力測定のセッションへ。
この日のメニューはコート5往復のインターバル走。所定の休息時間の中、複数回のランを行う中、
どれだけ回復をする能力があるか、走りきる体力があるかどうかの数値テストが実施される。
© 立花 佳世
© 立花 佳世
その後、フィジカルコンタクトへの耐性を養うためのワークアウトへと移行。隣り合うコートで
は、玉川大学の中等部バスケットボール部を対照にTTCスタッフである島袋トレーナーによる基
礎トレーニング講座が同時展開。両サイドがガラス張りで太陽が日差しが非常に明るいメインア
リーナの素晴らしい構造も重なり、非常に賑やかな空間となった。
選手同士がペアになって行うトレーニング、フィジカルコンタクトを想定したドリル、バランス
ボールを活用してのドリルなど、一つのテーマに対し様々なアプローチからのトレーニングが着
々と進行していく。
トレーニングの最中、参加選手の中でも抜群の熱意で各種のドリルへ取り組む選手がいた。今シ
ーズンよりTKbj東京サンレーヴスに所属する高橋幸大選手である。選手それぞれ、様々な背景や
物語があってコートに立っているものであるが、エリートコースに非常に近い場所にいながら
も、決して順風満帆とは言えない高橋選手の歩んできた道がそうさせていたようだ。
詳しくは下記記事を参照 拓殖大学、HOS実業団を経てプロヘ。高橋幸大選手
© 立花 佳世
その後、この日もピックアップゲームを実施。2日目のプロチームは起点となる選手が参加によって
パワーアップ。神奈川大学から葵企業へと就職し、TKbj福島ファイヤーボンズにドラフト2位で指名
され、中心選手の一人として活躍。今期よりNBDL東京八王子トレインズに所属する増子匠選手の圧
倒的な得点力を発揮すると、それに負けじとディフェンスの強度が強まる玉川大学。
池田、鳴海両選手のシュート、高橋選手のディフェンスやブレイクも冴え、プロ選手が貫録を見
せる場面も増えた。
この日も6本のピックアップゲームが終了後、全体でのクールダウンをし、全セッションが終了。
選手を代表して、池田が「ボールのない部分での動き、スクリーンの使い方、そしてフィジカル
コンタクトの重要性」を語ると、玉川大学主将の上口選手も「プロ選手の皆様のプレーに取り組
む姿勢、プレーの全てが非常に刺激になりました。今回の経験を秋のリーグ戦で生かしたいと思
います」と、学生らしく、精悍な表情と勢いのある語気で宣言する。
玉川大学は秋のリーグ戦への目標達成(3部リーグ優勝、2部昇格)、プロ選手は所属チームでの
活躍、それぞれの健闘を称え、来るべきシーズンでの目標達成を誓い、2日間の取り組みが終了
した。そして、その後の希望選手に対してはトレーナー陣が入念にマッサージなどでクールダウン。
繰り返しになるが「質の高いトレーニングとケアの両立」が主催者である井上亮馬氏の譲れない
強いこだわり。この時期は準備の期間。選手の戦いは、ここからが本番!
© 立花 佳世
(参考)
2日目の参加選手(敬称略)
粂川岳勤(14-15 NBDLアースフレンズ東京Z)
池田裕介(15~ NBDL八王子トレインズ)
鳴海亮(15~ NBDL八王子トレインズ)
八幡幸助(15~ NBDL八王子トレインズ)
小林大起(14-15~ TKbj群馬クレインサンダース)
増子匠(14-15 TKbj福島ファイヤーボンズ)
松岡 錬(TKbj高松 練習生 前田顕蔵HCによる推薦)
高橋幸大(14-15 NBDLレノヴァ鹿児島)
津川隆治(主催者推薦)
■協力者の存在
本トレーニングキャンプを開催するにあたり、欠かす事が出来ないのが本理念に賛同して協力して
下さる方々の存在だ。今年より、NBLドラゴンフライズに所属する栗野譲選手が代表取締役社長を
勤め、愛知県名古屋市でのバスケットボールスクールや、Webデザイン、経営コンサルタントなど
を事業とするElitus株式会社にもご支援を頂けることになった。
プロバスケットボール選手として、栗野選手ご自身は仕事のスケジュールの都合で参加は叶わなか
ったのであるが、本取り組みの趣旨に賛同し、所属チーム、及び、他チームの選手への案内に始ま
り、オフ期間も日本国内にいる外国人選手への声掛けなど、様々な形でご協力を頂いた。
神奈川県横須賀市で生まれ、ワシントンD.Cで育ち、様々なノースウェスタン高校、NCAA DivⅡマ
ウントオリーブ大学(ノースカロライナ州)では主将を務めた栗野選手。通年で活動する事が多い
日本の育成年代とは異なり、常にオフとオンが存在するシーズン制の中でバスケットボールに親しん
できた。
「アメリカでは高校の時期は夏になるとチームとしてリーボックのサマーリーグに参加したり、デマ
ーサ高校のサマーキャンプなどに参加して、基礎の練習を重ねながら違い地域から参加する選手の独特
なバスケスタイルを味わう事が出来ました。その他にも街中では様々な場所でリーグやピックアップ
ゲームが行われ、学年や年齢関係なく高レベルなバスケが出来ました。
大学に入ってからは現在でもジョージタウン大学で開催されているNike Kenner Leagueでプレイをし、
プロ・大学・高校のトップ選手とバスケをしてきました。平日は午前11:00にジョージタウン大学、そ
して夜は19:00にメリーランド大学でオープンジムもあったのでワークアウトやピックアップゲームを
しました。
基本的にNCAAのルールでは夏のチーム全体練習が許るされていないので地域のプロ、他校の大学生や
目をつけているトップレベルの高校生を集めてみんなで交流を図り、オープンな環境でお互いの実力を
高め合えるようになっています。
アメリカなどでは日本とは違い、学年・年齢関係なく、オープンな環境があり、形ばかりにとらわれず
何時でも、自由にバスケが出来る環境があるのが決定的な違いです。」
また、『バスケットボールの世界での情報格差をなくす』事をミッションとして国内外の様々な情報コンテ
ンツを掲載しているゴールドスタンダード・ラボには本イベントの趣旨や告知で協力を頂いた。同WEB上にも、
日本国内で行われているオフシーズンの熱のある取り組みも紹介されている。
「海外トップ選手のトレーニングにまつわるエピソードやトレーニング環境。様々な人から伝え聞くたびに、国
内との圧倒的な差に驚かされていました。才能があるにも関わらず、ハングリーかつリレントレス(おっと宣伝
になってしまった)な選手に、ソフト/ハードともに充実した環境。
しかし近年では、目に見えて国内の環境も変わってきました。井上氏のトレーニングキャンプや福岡で行われた
Watch & Cエリートゲームや、大阪のHOS GAMES。言い訳できない環境に、ハードワークする選手も増えてい
ます。
まだまだ草の根ではあるものの、2020年のオリンピックや来年のBリーグ開幕に合わせて、バスケットボールの潮
目が変わってきているのを感じます。こうした彼らの行動力に敬意を表するとともに、GSLとしても「バスケの世
界での情報格差をなくすこと」で、彼らの活動をサポートしていけたらと考えています。」
書籍編集者として数々のバスケットボール書籍を送り出し、現在はWEBマーケティング職で奮闘する、同岩田
編集長も語る。
(参考)
プロ選手のトレーニング論 〜TKbjリーグ 石谷聡選手〜
WATCH & C ELITE GAME 2015
ミッションは『ギブバック』 −HOS GAMESが照らす日本バスケ界の道筋−
【通算得点歴代3位】コービー・ブライアントは何故偉大になれたのか?
ティム・グローバーが語る、成功者が持つ13のメンタリティ
また、今シーズンよりNBL千葉JETSの中心選手として活躍し、一般社団法人バスケットボール選手会の会長
を務める岡田優介さんにも、ご自身がオーナーを務めるDining Bar DIMEにて、本取り組みについての意見
や、選手会で行っている夏場の合同トレーニング”JBPAサマーキャンプ2014”(協力 株式会社東京ドームス
ポーツ)の主旨、活動コンセプトなども伺った。Tamagawa Training Camp の在り方や、果たしたい役割。
どういう取り組みであればプロ選手にとって意義のある取り組みになるのか、などを改めて見つめなおし、
そのおかげで目指す方向性がさらに明確となり、また、情熱を注ごうと決意をするエネルギーも頂く機会
を得た。
また、(選手会の会長としての公式なアクションではなく)、岡田選手の個人的なアクションとして、本取
り組みを近しい選手にもご案内をして頂いたという。これからも、日本バスケットボール協会の会長として
辣腕を振るって環境整備に取り組まれている川淵会長ではないが「プレイヤーズファースト」の感覚を失わず
に精進していきたい。
(参考)
Dining Bar DIME
東京都渋谷区 渋谷2丁目12-11 渋谷KKビルB1
JR渋谷駅より徒歩7分/地下鉄表参道駅より徒歩9分
JBPAサマーキャンプ2014
本プロジェクトは、まだまだ小さい取り組みであるが、それでも、プロ選手、大学生選手、それを見る玉川大学の
高等部や中等部の選手など、世代を超えたバスケットボール環境を創出できるという手応えを感じられる場面も
増えてきた。
アメリカの事例、他の海外の事例、日本国内の事例を参考にしつつ、よりよい空間作りの為に尽力をしていく為、事
務局でも次年度に向けた準備と予算、人材の確保に動いている。
是非、これからの活動にもご注目下さい。
ご協力頂いた皆様、ありがとうございました!
© 立花 佳世
■スタッフ
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